こんばんは享佑です。
今日は鹿児島で易のクラスで講師を務めてから、たらふく鹿児島黒豚を堪能し、デスクに向かっております。
食べ過ぎました、はい。
さて、鹿児島のクラスでは当然、易をお伝えしておるわけですが、話の中で鍼灸の話になることもあります。
今日もそんな流れになって、おかげさまで易の授業なのに、お灸を販売するっていう、何ともよく分からない状況になりました。ありがたいことです。
もともと東洋医学の勉強をしていた僕ですが、鍼灸免許をとってから、よりいっそう東洋医学と易学(=気学)のつながりに魅了される日々です。
なんで世の鍼灸師さんは、もっと易を学ばないんだろうか。
当院では、月に一回、勉強会をしつつ、易を学んでいます。ただ、鍼灸師さん向けに行っておりますので、一般に行う易塾とはかなり違った内容になります。
でも、それはそれで面白い。
何年かしたら、この勉強会も鍼灸師さん向けに開放できたらな、と思っています。まだ、先は長いですけどね。でも、いつかやりたい。
この気づきを墓場になんて持って行きたくない。
鍼灸師さんは「自分の知っている東洋医学」にこだわり過ぎているきらいがあるように思います。現代鍼灸は、あまりにも言葉が簡単すぎる。
古典は、そもそも言語的に古い(読み下し文でもそうです。どうしても現代の言い回しとかなり違う)から、もともと古典に親しんでもいない限り、読むだけで難しい。
学校で「簡単な言葉」でばかり勉強をしているから、少し難しい言葉が出てくると、もうお手上げになってしまう。
だから、鍼灸業が一層の発展を願うのであれば、鍼灸学校のカリキュラムに古典を入れるべきなんです。
ところが、必修科目に英語はあっても古典はないんです(英語が要らないというわけではないです)。
でも、まぁ、こんなことは一鍼灸師の僕が言っても仕方ない。
大事なのは、鍼灸師が古典にしがみつくことだと思います。読めなくても、読み続けることですね。僕はこれからも古典にしがみつきます。
そういえば、二日前の4月20日は新月だったそうです。
「天人合一」を旨とする東洋医学は、こうした天体現象が身体に及ぼす影響にも、ものすごく関心を持っておりました。
黄帝内経・霊枢(歳露論第七十九)
「故月滿則海水西盛、人血気積、肌肉充、皮膚緻、毛髪堅、腠理㕁、烟垢著。當是之時、雖遇賊風、其入淺不深。至其月郭空、則海水東盛、人気血虚、其衛気去、形獨居、肌肉減、皮膚縱、腠理開、毛髪殘、膲理薄、煙垢落。」
故に月滿つれば則ち海水西に盛ん、人の血気積み、肌肉充ち、皮膚緻かく、毛髪堅く、腠理㕁(と)じ、烟垢著く。是の時に當たり、賊風に遇うと雖も、其の入るや淺くて深からず。其の月郭空しきに至れば、則ち海水東に盛んにして、人の気血し、其の衛気去り、形獨り居り、肌肉減り、皮膚縱み、腠理開き、毛髪殘われ、膲理薄く、煙垢落つ。
要するに、月が満ちれば人体の気血もまた満ちて、肌肉も充実し、皮膚はきめ細かくなり、毛髪もしっかりして毛穴も閉じ、皮脂も充実してくる。こうしたときは賊風(=春に西風や秋に東風など、逆方位の風、病気の原因と言っても良い)に遇ったとしても、風は人体の浅いところまでしか入ることができない。
逆に新月のときは、その逆であって、病は身体の奥深くに入ってきてしまう、というわけです。
また、深夜には治療はしてはいけないともされています。ですから、当院は治療は酉の刻である19時までとしております。
(酉は真西の十二支であり、陰陽が半々の時間だから)
僕も、家に帰ってから自身に刺鍼することも多いですが、やはり昼の間に行うべきだな、と思っております。ただ、緊急のときなんかは、こればかりにこだわり過ぎることもないですね。
まだ新月から三日。
ここから身体の気血が充実してくるタイミングです。しっかりと養生してくださいね。
ちなみに、鍼灸師としての背番号は「5」をいただきました。
なんでかはよく分かりません。
妻に聞いてください。