東洋医学のある暮らしセミナー4回目は5月23日!

自己紹介

こんにちは、享佑です。一応、オフトンはり灸院のオーナーやってます。

鍼灸師としての自己紹介がまだだったので、自身の歩みを振り返る意味でも、ここに書き残しておこうと思います。

さて、僕は20204月に鍼灸学校に入学しました。
覚えていますか?
コロナ禍のはじまりのときでしたね。

入学の本当に直前に「鍼灸の資格取ろう!」と思い立って、旧知の先生が教員をされている学校に問い合わせをしました。すぐに呼び出されて面接を受け、あれよこれよと言う間に入学が決まり。
そこからすぐに入学金をかき集めたのはいい思い出です。

41日に初登校をし、初の学食を食べ、帰ったら
「明日からオンライン授業です」
という連絡が来ました。

1日しか登校せぬまま、通信教育みたいになってしまった。これには驚きました。
実技、どないするのよ。

そこからは割と普通な学生生活だったと思います。ただ、同級生と休みの日に出かけるとかはなかったですね。一度だけ、飲み会に参加しましたが。
学校のイベントも多くが図ったかのように(?)出張と重なっておりまして。
あれ?もしかして、本当に図られてた?(笑)

でも、おそらくですけれど、東洋医学と臨床論は誰よりも勉強しました。

テスト勉強は一切しなかったけれど、多分、学生時代で黄帝内経(素問・霊枢)と難経を読み切ったのは、同級生の中で僕だけです(黄帝内経・運気を読みきれなかったのは痛恨の極みです)。
もともと、鍼灸学校に行く前から、黄帝内経は何度も読んでおりました。
未だに分からないことも多いのですが、やはり九星気学や易学を学んでいるのは、大きな大きなアドバンテージで、在学中に「医易学こそ、自分が生きる唯一の道」と覚悟が決まったのは幸せなことでした。
決め手になったのは、2年次の自由研究で難経をテーマにしたことと、3年次の特別講義で佐藤先生に出会えたこと。
そう考えると、あっという間ではありましたが、本当に幸せな3年間のモラトリアム期間でした。
3年次は臨床実習と模試だけで時間が過ぎていった気がします。
臨床実習では、こちらも多分ですが、同級生の中で一番治療を担当させていただきました。
治療の担当は、ほとんどが挙手による立候補制でしたが、毎回のように手を挙げておりました。
(途中、先生から「他の子にも譲ってあげて」という趣旨の注意をいただいたので、それ以降は控えました)
てか、何で皆、やりたがらないの?

卒業したら、有無も言わずに鍼を打ち、灸を据えねばならないのに。
しかも、失敗なんて許されないのに。
まぁ、こんなことを公言していたから、先生方にとっては扱いづらい生徒だったかも知れません。

そして、鍼灸師試験は、思ったよりも簡単でした。
だけど、三割くらいは正答できなかった。
ただ99%正答も70%正答も大して変わりはありません。

臨床で1%でもミスをすれば、患者様の容態が悪くなる可能性もあります。
だから、どこまでも勉強するしかないのです。
そこに99%70%も変わりはないと思っております。

ただただ、今日も本を読み古人に学ぶ日々です。(と言っても、古典だけを読んでいるわけでもないです)それでもやっぱり、僕よりも良い点を取っていらした学友たちには、素直に賛辞を贈りたい。

僕は、皆よりももっとこれから勉強しなきゃいけないな、と思う。
そんなこんなで卒業式を迎え、無事に卒業証書をいただきました。
卒業式は終わり次第、帰宅しました。仕事が入っていたのでね。最後くらい、皆とおしゃべりしても良かったかも。

でも、これも巡り合わせだし、必要な人とはまた必ず会えるから後悔はしてません。
3月の下旬に合格発表があり、無事、合格を確認しました。
そして、即日、登録申請をし、無事330日に鍼灸師として名簿に登録され、業としての鍼灸が可能になりました。
早速4月の上旬から治療に入らせていただいております。

治療に入るようになってからは、これまた発見の連続で。
これまで学んできた古典の智慧が、今でも生き生きと患者様の身体の中で輝いているのを実感しております。

本当に、鍼灸ってすごい。
鍼灸がすごいのは、そのコストパフォーマンスです。

わずか数円の鍼と100g100回分以上ある)数百円のもぐさだけで、身体がみるみる変わっていく。
自身の身体にも、ここまで数万回は鍼を刺しておりますし、灸を据えております。
本当に変わるんです、身体と心が。
この感動を多くの人に知っていただきたい。

もともとは鍼灸師は「はり医者」と呼ばれていたんです。
それが「医者」の名称が剥奪されてしまったのは、ひとえに鍼灸界の堕落に原因があったのだと思います。GHQのせいにする鍼灸師さんも多いけれど、僕は違うと思う。
そういう政治的なものの外、我々鍼灸師の中に、必ず原因がある。鍼灸師と医者では、やはり圧倒的に勉強量の差があります。
医者を十把一絡げにして「すごい」なんて崇めるつもりは毛頭ないけれど、例えば覚える疾患数をとっても、数倍の勉強を医者の方々はしているわけで、やっぱりかなわない。
これは鍼灸師の全員が共通認識として持つべきだと僕は思っています。
日本の鍼灸師は勉強が圧倒的に不足している。

ただ、それに文句を並べても仕方ないですから。
僕は僕で勉強して、よりよい治療ができるように精進するだけです。
だいたい、僕も黄帝内経さえ、まだまともに読めていない。まだまだ開くたびに「なるほど」と思わされる日々です。一生かけても、きっと「分かった」とはならないのでしょう。
だから、今日も読み続けるんです。
そして、いつか「はり医者」と患者様から呼ばれるようになりたい(自分で名乗ったら、医師法違反で捕まります)。

東洋医学のキャッチコピーは「天人合一」です。
宇宙と人は一つの論理で貫かれています、と鍼灸師さんはよく言います。だけど、「宇宙の論理」を知らないんです。なぜなら、それは「易」を学ばねばならないから。
易は黄帝内経よりもはるかに抽象的で難解です。
だから、ほとんどの鍼灸師さんは「天」を勉強すること無く、「人」を語っているのです。
これが日本の鍼灸界の現状です。

僕は、少なくとも自分だけは「天人合一」を体現できる鍼灸師となりたい。そう願って、今日も鍼を握ります。そして、明日もまた、鍼を握ります。

ただ、オーナーである僕が「天人合一の鍼灸」を標榜している以上、オフトンはり灸院にいる鍼灸師たちもまた、やはり「天人合一の鍼灸」を志してもらいたい。そう思って、院内では勉強会を重ねています。鍼灸師としては先輩の諸先生方との対話を重ねるような勉強会です。

ここから、少しずつでも「本物の東洋医学を志す土壌」が育っていき、それがひいては患者様の間で、いや社会全体で東洋医学を再評価するきっかけになっていったらこの上ない喜びです。
新型コロナウィルス感染症に対し、現代医学はあまりにも無力でした。
僕はワクチンを打っていません。
自身の免疫力を信じて、実際に感染しましたけれど、ほぼ無症状で回復することができました。
もちろん「だからワクチンなんて不要!」なんて言うつもりはないし、ワクチンを打った方に対して何ら否定的なイメージを持つこともありません。
それは信仰の自由が保証されている日本において、当然のことです。自分の身体を信じるのも、ワクチンを信じるのもその人の自由です。
そして、その信仰によって何ら社会的な制約を受けることもあってはなりません。
ただ、僕は自身の信仰のままに生きた。

それだけです。

ただ、やはりその中で、僕自身、東洋医学への傾倒はますます激しくなるばかりであったのは、紛れもない事実です。
そして、これからも僕はやはり東洋医学とともに生きていくことでしょう。
鍼灸というのは、大きく西洋鍼と東洋鍼に大別されます。どちらも素晴らしいです。西洋のエビデンス主義というのも、やはり厳しさをもった正確さを持っております。それに対して、僕は尊敬をせずにはいられません。でも、その上で、身体に宇宙を見る東洋の鍼の素晴らしさも改めて感じる毎日なのです。

経絡は身体上に描かれた地図です。
臓腑はそれぞれが独立しつつも、相対しあって動いている、まるで現代国家の集合体のようなものです。こうしたものを紀元前の昔に作り上げた古人の頭の中を少しでも垣間見たい。
そんな風に、日々を過ごしている鍼灸師です。

よければ、ぜひ治療を受けにきてください。うまくできるかどうかは知りません。合うか合わないかも知りません。

だけど、東洋医学の面白さ、不思議さくらいは伝えられると思います。あなたにお会いできることをスタッフ一同、楽しみにしております。

写真は卒業式の日の一幕。母が生きているうちに、鍼灸師の姿を見せることができて良かったです。

 

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