東洋医学のある暮らしセミナー!10月17日です!

般若心経とスタートアップ

こんばんは、福岡市中央区大手門の整体&気学サロン「OFFTOOON(オフトン)」の享佑(きょうすけ)です。
スタートアップウィークエンドが終わり3日も経つのに、まだ熱が抜けない。
それほど強烈な体験だったのか、と今さらながらに思います。
そういう経験が出来たことに感謝。

今日は易のセミナーがあり、何を話そうかな?と思っていて。
冒頭に般若心経を題材にしようと思っていたので、それをスタートアップと絡めて話したら面白いだろうな、と。
ブログの読者さんにはセミナーのおすそ分けみたいになっちゃいますが。
セミナー参加者の人にはちょっと申し訳ないけど、ここに書く以外のことも話したのでご勘弁。

 

さて、般若心経というのは、僕も大好きなお経です。
「お経」というと、お坊さんが唱える「おまじない」と思われるでしょうけど、実際は全然違う。
とても現実的な哲学を説いている。
だから心理学と呼ばれるものは、仏教の影響を多分に受けている。
そういうものなんです。
だから、大衆や従業員の心を捉えなければならない経営者、起業家というのは仏教を学ぶべき、と思うのです。

 

般若心経は日本でもメジャーで。
仏教を全然知らない人でも「色即是空」くらいは聞いたり見たりしたことはあるはず。
そんなお経とスタートアップがどう関係していくのか?
まぁ、ここからは僕の意訳が多分に入るので、楽しむくらいにしてください。
これからスタートアップをしようという人(僕も含む)が、何かしら考える材料になれば、と。

まずは「般若心経」の最初の部分を紹介します。

 「観自在菩薩、行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。
 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」

ここから、さらに理論は展開されるのですが、特に重要なのはこの辺りです。
では、スタートアップ的に解釈を進めようと思います。

観自在菩薩は般若心経の主人公。
この菩薩さんは後で解説します。
その菩薩さんが行深、つまり修行を極めていったとき。
どんな修行か?、般若波羅蜜多、ここでは簡単に悟りとしておきます。
照見、はっきり見えた、というわけです。

何が?
五蘊が皆空だということがはっきりわかったということです。
五蘊皆空とは、人間を構成する五つの要素、すなわち

色・・・形あるものの訳で現象として現れているもの。体も色にあたる。
受・・・感覚。熱湯に手を浸せば、熱いという感覚が伝わる。
相・・・語源的には「すべて知る」ということ。熱湯を「熱いもの」と了解する働き。
行・・・意志の方向性。熱いから手を出さないといけない、と手を引っ込めること。
識・・・分別して認識すること。湯気が出ている液体は熱くて火傷するから危ないな、と認識すること。

これらは全部、空、すなわち「あてにならない」、ということ。
人間のすること、思うこと、そんなのは全くあてにならない。
そういうことです。

この後に「度一切苦厄」という後で話す一句が入り、続いて有名すぎるほど有名な

 「色不異空 空不異色
 色即是空 空即是色」
という句が入ってくる訳です。
ここの部分だけをとって、知ったような顔をして

「仏教は空なんだろ?人生って空しいだけだよな、本当に。」

 

とか言う人もいるけど、浅学もいいところです。
玄奘(三蔵法師のモデルになったお坊さん)の訳ではなぜか抜けているんですが、この前に

「色空 空性是色」

という一句が入る。
これは

「色と空は離れては存在できない」

という意味で、つまり、人間の体も心も、全く信用できない、ということ。
僕は女性の涙ほど信用できないものはないと思っているわけですが。
先日、親父の葬儀のときに、焼却炉に入れられる前はワンワン泣いていたのに、10分もしないうちに、弁当がうまいだのまずいだの言っていた親戚のおばさんを見て、より強くそれを感じたのです。

人間が生きていることだって、あてにならない。
2年前にはピンピンして、バンコクで一緒に夜の街に繰り出していた人が先日亡くなった。
命などというものは、全くあてにならない。

そういうあてにならないものの上に、我々の人生は成り立っている。
これが生命というものの本質なのだ、ということ。
これが、色空 空性是色、の意味。

でも、そうは言っても我々は確かに生きている。
だから、あてにならないとはいえ、それは認めなければどうにもならない。
自分なんていうのも、あやふやすぎるほどあやふやだけど、仮に決めなければ生きられない。

だから、僕も「整体師」として「鑑定士」として生きている。
あやふやだけど、仮でもいいからハッキリさせなければならない。
そうすると、僕というものが仮定されて、僕の妻という存在も仮定されて、僕の子供や、お客様や、先生達というのも仮定される。
これが「色不異空 空不異色」
実態があるということは、実態がないものではあるけど、だからこそ実態として見える世界がある。

そして、「色即是空 空即是色」の世界に入っていく。
つまり、たしかにこの世は空しい。
人間もあてにならない。

命なんて、いつなくなるか分からない。
明日尽きるかもしれない、儚いもの。
でも、だからこそ、この命はたとえようもなく素晴らしいと思える。
「愛してる」なんて言葉ほど、あてにならないものはない。
男の愛も、女の愛も、なんとも頼りないけれど、頼りないからこそ、命がけで女を愛するわけだし、男に魂まで捧げて死んでいくことも出来るわけですね。
そして、さらにあてにならない子供を作ったりする。
子供なんて、本当にあてにならない。
こんなに愛してるのに、「パパうざい」とか平気で言うもんね。
それでも、いや、だからこそ、愛してしまう。

 

頼りなかった、あやふやな1日の出来事を、永遠とも感じられる。
先日、結婚式の写真を見て、ありありとその日の感情や、妻の喜んでいた顔、みんなが祝福してくれたこと。
そういったものを思い出し、胸が熱くなったわけですが、これが色即是空、空即是色、な訳です。

スタートアップなんて言うのは、本当にあてにならない。
多くのチームが「またこのメンバーで何かやろうね!」なんて言ってたけど、多分何もやらない。
まことにあてにならない。
これが悪いわけじゃない。
あれほど仲が良かった中学校の同窓会ですら、卒業してから一回も開催されてないんだから、当たり前といえば当たり前。

審査員の方から「やったらいいですよ」と言われたアイデアも何個かあったけど、多分ビジネスにはならない。
本当にやりたいことなら、自力で出来るよな、っていうアイデアがほとんどだったから。
自力で出来そうなことを、まだやってないってことは、多分、今後もやらない。
そのくらい、あてにならなくて、はかない。

でも、だからこそ、その中から生まれた本物の友情や企画というのは素晴らしいわけです。
あてにならないから、素晴らしい。
あてにならないにもかかわらず、あの場に居合わせれた奇跡と、ともに過ごせたご縁と、そこに導いてくれた出会いに感謝しなければならない。
僕はそう思うんです。

そう思えたら、あのわずかな時間も永遠の感動になるし、あの頼りないアイデアも、後々素晴らしいビジネスのタネになるかもしれない。
空というのは、0でもあるし、無限でもある。
0は何にもないから、何でも入る空間を持つ。

だから、あの経験を0にするか?無限の広がりをもたせるか?は自分の意思次第なのだと思う。
大事なのはビジネスプランを評価してもらうことじゃなく、とりあえず0から僅かばかりでも形を作ったという頼りない現実を、無限に広げていく姿勢だと思う。

 「独立したいです」

と言って、うちの店の門を叩く人は何人かいた。
でも、本当に独立したのは、ごくわずか。
まことにあてにならない。

「起業したいです」

と言う人がたくさんいた。
でも、多分、起業する人はほとんどいないでしょう。

スタートアップというのは「独立・起業する」そのものを現す言葉ではないと思う。
「アントレプレナー」は起業家だけど。
スタートアップというのは、「まだ見ぬ価値の創造」と言った方が、僕はしっくりくる。

大事なのは、価値の創造。
ピーター・ドラッカーは「顧客の創造」と言ったけど、同じことと僕は捉えている。

だから、「独立したい」と言って独立しなかったのをバカにする気持ちは全然ない。
今、残ってくれているスタッフは、「うちの店で働くことで『しか』生み出せない価値」を見出してくれた人たちだから、むしろ尊敬している。
だから、「起業=独立して自分でやること」とは捉えない方がいい。
価値を生み出すことを見つけ、それによって対価を得られるなら、組織に属していても「起業」は可能だ。

だから、大事なのは「自分は何者か?」を肩書とか抜きで考え続けることだと思う。
僕はたまたま独立するチャンスを得て、自分でやっている。
けど、零細企業を起こしたからこそ、出来ないこともたくさんある。
「このプロジェクトには10億円の予算を・・・」とか考えられない。

 

般若心経は観自在菩薩が主人公。
自在と自由の違いが分かる人って、どれだけいるだろうか?

「石川さんは、自営だから自由でしょう?」

とよく言われる。
これは、会社員は「不自由」であるという前提に立った言葉。
でも、全然そんなことはない。
自由と不自由は絶対にセットになっている訳です。
社長業なんていうのは、一面、不自由極まりない。

でも自在には「不自在」という対義語はない。
自由も不自由も問題にしない態度を自在という。
そんなことが出来るのは菩薩だけ、と仏教はいうけど、僕らも生きる姿勢としては自在でありたいと願う。

だから、自営業だろうが、サラリーマンだろうが、アルバイターだろうが、自在に生きることは可能だと信じている。
スタートアップとは、自在を生きることと言ってもいい。
だから、大学生だろうが、社会人だろうが、フリーターだろうが、スタートアップは出来る。

大学生だから世間を知らない。
社会人だからビジネスプランがすごい。
そう思っているうちは、スタートアップは無理だ。

大学生にしか見えない社会的問題はある。
社会人だから感じる疑問もある。
それを解決していこう、というのが観自在菩薩なのだと思う。
そこに、肩書など関係ない。

最後に、「度一切苦厄」を。
これは、玄奘の訳にしか入っていない。
あきらかに玄奘の創作だけど、だからこそ味わいがある。

玄奘というのは、とんでもない苦難を乗り越えて、何度も死にそうになりながらインドに辿り着き、大業を果たした冒険家だ。
彼は秩序なく中国に入っていった仏教に対する様々な疑問を本場インドの高僧に問い、中国にない経典を持ち帰り翻訳するという二つのミッションを成功させた起業家な訳です。
その彼が、「度一切苦厄」、すなわち「すべての苦悩を解決する」と挿入したのはなぜか?

 

般若心経というのは、観自在菩薩が修行を積んでいるときに「すべてはあてにならない(=五蘊皆空)」と悟ったところから始まる。
だから、今目の前にある「常識」はあてにならない、と悟った訳です。
そうやってハッキリと真実を見たなら、それによって今苦しんでいる人を救わなければならない。

 

これは、宗教的な観念だけでなく、現実的にもそうでしょう。
活版印刷、蒸気機関、インターネット、明治維新、すべて人生をよりよくするために常識を打ち破っていった。
そういう現実的な覚悟が「度一切苦厄」という玄奘訳には込められている。

ちなみに、覚悟というのは、「覚る」と「悟る」の二つから成り立つ言葉。
覚るは世の中のことが分かる。
マーケティングで言えば、「マーケットイン」。
悟るは自分のことがハッキリと分かる。
つまり「プロダクトアウト」。

マーケットイン、プロダクトアウトとか言うと小難しいけど、ようするに、主観と客観。
この両方が揃って、「覚悟」。
儒教では「致知」と「格物」ですね。
玄奘の挿入した一文には、そういうものが滲み出ている。

だから、「自分は何者で」「今、何が求められているか?」を知ることが覚悟。
玄奘は「世の中の問題を見つけられたなら、あなたはその解決策を持っているはずだから、解決せよ!」と言っているわけです。
なるほど、稀代の冒険家・起業家の言葉は重い。
つまり、「問題を見たやつは解決に向けてのアクションをとれ!」という強い意思表示な訳です。
「傍観者は許さない」ということ。
般若心経というのは、そういう意味でとても厳しい経典です。

スタートアップウィークエンドに参加した人というのは、何かしら解決したい問題があって、それに対する解決策を思いついたから、あの場に立ったわけです。
立っただけではダメです。

あてもなく、頼りなくでもいいから、その問題解決に向かってアクションを起こさなければならない。
般若心経というのは、実は「空しい」ものでは全然なくて、「0という無限の可能性を信じて、力強く前に進もう」という仏教者の意志表示なわけです。

だから、250文字程度の短いお経の結びが素晴らしい。
「羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶」
スタートアップ的に日本語にすると
「行け!行け!問題解決に向かって行け!仲間とともに!大丈夫だから!」
かな?
つまり、仲間と一歩を踏み出せ!です。

僕も、今回頂いたご縁を生かし、仲間達と渡っていきます。
ビジネスプランで語った、「運勢の強い人を増やす」というミッションに向けて。
アプリ開発は、その一歩に過ぎない。
一歩に過ぎないけど、踏み出さなければ次の一歩はない。
なんともあてにならない、頼りない一歩だけども、一歩踏み出せたなら、無限の可能性を持つ。
だから、歩き始めよう。
般若心経に背中を押してもらい、勇気を出して。

追記

全く同様の話が、StartupWeekendFukuokaさんのFacebookページに書かれていました。
参考になることが多いので、リンクしておきます。
どの投稿のことを言っているか?はご自身で見つけてみてくださいまし。
本当に出来る人、出来る企業って、思想を身につけるまでもなく実践してますね。
でも、その一部に入れない凡人の僕は、多くの凡人の仲間に対してこういうことを伝えることが大切だ、と思ってこれからも活動を続けようと思うのです。

さて、今日もご予約お待ちしておりますよ〜。
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写真は友人に頂いた佐藤錦。
美味しかった。
佐藤錦は一瞬で僕の腹の中に消えた、儚い「空」。
でも、僕はこれからサクランボを食べるたびに、友人が佐藤錦と一緒に持ってきてくれた出産の報告と、その笑顔を思い出す。
色即是空・・・サクランボははかなく消えたけど
空即是色・・・友の笑顔は永遠だ。

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