こんばんは。
東洋医学では古来より医師に関して様々な分類をしてきました。
紀元前1,100年(今から3,100年前)の周の時代に文字があったので、文献として残っている『周礼』という書物では、医師を4つに分類しています。
最高位は【食医】です。
王や貴族に対する治療をしていた医師です。
薬は適切に処方されれば”薬”となりますが、用法用量を誤ればたちまち”毒”となります。
王に毒を与えるのは罪とされていたため、美味しい食事で治療をしていたのが、この食医です。
これは、「薬(医)食同源」の祖とされています。
次に位の高いのは【疾医】です。
疾医とは、一般の人を治療する医師です。
鉱物薬(塩、酒)や、植物薬、動物薬(蛇、鹿の角、サソリなど)などを用いて治療をしていました。
今で言う、漢方薬ですね。
その下の位が【瘍医】です。
今で言う外科医で、病になってしまった人を治療する医師です。
最も下の位が【獣医】です。
牛や馬(戦馬)の治療にあたっていました。
上記の分類から分かるように、【治未病】できる医師が、最も位が高く素晴らしいとされていました。
ここでポイントですが、治未病は「病を予防すること」とは違います。
“疾病”と言いますが、漢字にはそれぞれに意味があり、
疾:完全に元に戻れる状態
病:大病、重病
を、指します。
治未病というのは、疾の段階で、病=大病になる前に治す
という意味になります。
中国人の教授医師曰く「病を予防する、という意味よりは更に、早い段階で治療を施す」という意味のようです。
『黄帝内経』という本にも同様なことが書かれており、医師を3つに分類しています。
最高位は【上医】、治未病できる医師を指します。
次点は【中医】、病になってから治療する医師を指します。
最下位が【下医】、誤診誤治をする医師を指します。
ちなみに、黄帝内経は紀元前1,200~500年の間に書かれたもので、その当時の皇帝が中国全土の医師に、臨床研究できるように補助金を出し、700年の間に莫大なデータを集めて編集したものになります。
この時点から、鍼灸はほぼ進化していないそうです。
新しい治療法と思われている施術も、全てこの本に書いてあります。
そりゃ莫大な補助金を元に中国人全土の医師が700年間研究しまくった結果なので、余すところなく研究し尽くされているでしょう。
黄帝内経には
【鍼薬同功】
つまり、
鍼と薬は同じ効果
との概念があり、中医師は鍼灸と漢方を一緒に行います(現代でもそうです。日本は法律の関係でダメ)。
また、『黄帝外経』というものもありましたが、こちらは政治や外交について記載されているものになります。
【医相無二】
つまり、
医者と官僚の仕事は両方大切
との考えから編纂されたそうですよ。
また、黄帝内経は竹にその内容が書いてあります。
面白いですよね。
ということで、何が言いたいかというと、享佑ママンのお弁当が毎日優しすぎて食医だわさ!ということです。
では!
東門 沙希依