こんばんは。
この度の水害により被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
少しでも被害が少なくて済むようにお祈りしております。
7月に入ってから一斉に蝉が鳴きだし、季節の移ろいを感じます。
しかし、度重なる災害に滅入ってしまい、なかなかブログの更新に至りませんでした。
今この時も、辛い目に遭っておられる方々の事を思うと、なかなか文章を書く気にはなれません。
私の父の里は鹿児島の薩摩半島の、知覧という特攻隊基地のあった地より少し南に下った、川辺という地域です。
読んで字のごとく、川があり、水が綺麗な地域なので、お茶が作られています。
知覧茶は有名な銘柄なので、耳にしたことがある方もおられることと思います。
川には沢山の昆虫がおり、コバルトブルーの胴体に真っ黒な羽が美しい、神の使いと言われている羽黒トンボが飛んでいます。
川の水は澄んでおりとても綺麗です。
『鬼の鏡』と呼ばれる場所があり、整備されていない竹林を下って川に行くと、流水により丸い筒状に侵食された岩に水が溜まった所があります。
澄んだ水鏡を見て、鬼たちがお洒落をした場所、と言われています。
鬼の鏡は本当に綺麗で、また少し青味がかった不思議な色をしています。
父たちはこの鬼の鏡に飛び込んで、潜って遊んでいたのだそうですが、深さも5mほどあるそうで、とても水が冷たかったのだとか。
そんな水の多い父の里ですが、今から30年ほど前に、大雨の後の土砂崩れで集落が被災しました。
幸いにも父の実家は無事でしたが、お隣のお家は土砂に潰され、地形ごと跡形も無くなっています。
本当に、今まで自分が知っていた場所が、全く姿を変えるのです。
子供だったので、当時はあまりよく分かっていませんでしたが、大人になった今はなんと怖いことなんだろうと思います。
水は怖いです。
鬼の鏡のような美しい姿を見せてくれたかと思えば、人の命を奪うこともあります。
私たちの体の60%を形成している水。
摂らなければ死んでしまう水。
0度で凍り、100度で蒸発して消えてしまう水。
水はこんなにも身近にあるのに、水に関しては宇宙よりも分かっていることは少ないんだそうです。
そんな水ですから、自然現象と合わさった場合、もちろん私たちなどにはコントロールができない存在です。
ですが、ここ数年毎年起こる水害に関して、もう少しなんとかならないものか、、、と素人ながらに思ってしまうのです。
今自分にできるのは祈ることだけですが、悲しい思いをする方が少しでも減ってほしい気持ちです。
東門 沙希依