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学ぶの話

こんにちは。

 

 

 

 

雨の福岡です。

 

朝晩は肌寒さを感じるようになり、掛け布団の枚数を増やしました。

 

夏場はどうしても目がさえやすいのに加え、暑さも相まってなかなか寝苦しい日が続きますが、秋は気温が下がってまた陰気の高まりに応じて入眠しやすくなってきます。

 

うちの犬も夏の間は夜ずっと起きていましたが、最近は一度くらいしか起こしにこないのでホッとしています。

 

 

だんだんと風邪をひきやすくなってきますから、今度の東洋医学講座では風邪に着目したお話をしようかしらなんて思っているところです。

 

 

 

 

 

 

 

 

我々鍼灸師は、学生時代に様々な講義や実習を受講するわけですが、多くのカリキュラムは国家試験を通るための基礎知識であり、臨床に出た際に深く活用するものにはあまりにも足りません。

というか、臨床で活用できるものを教えてもらったとしても、それを理解して自分のものにするのはそれこそたくさん臨床経験や月日を重ねなければならず、到底理解できるものではありません。

 

 

例えば百会という有名な経穴があります。

誰しも一度は耳にしたことがあるくらい有名なツボです。

場所は頭のてっぺんにあり、小学生が『下痢ツボ押してやる!!!』なんて冗談を言いながら押してきたりするくらい、メジャーなツボです。

 

 

 

 

 

この百会、学校では

『督脈の経穴』であること『場所は左右の耳のてっぺんを結んだ線と顔の正中線を上に上って行った線との交点』くらいしか教えません。

 

ですが、臨床では使う機会も多く、講師をされている先生からは『気を増やすときに使う』とか『頭に気や熱が上っているときに使う』とか教わるわけです。

 

なので、学生は『百会は頭のツボ』くらいしか覚えません。

少し真面目な学生は『百会は上っているときに使う』くらいは覚えてくれます。

 

 

 

 

いざ臨床に出ると、その汎用性は高く、私は大抵の患者さんに使うくらい使っています。

ですが、それはあらゆる病態を問診した上で辿り着いたベストな選穴の一つが百会になるため、百会を使っているのです。

 

 

臨床に出て経験を重ねていく中で、初めて『あのとき習ったことはこういうことだったのだな』とわかるわけです。

もっと言えば、今の自分の目線ではまだ見えていない部分がたくさんあるわけで、もっと月日が経つと更に『百会は気を作るなぁ〜』なんて納得するものだと思います。

 

 

 

華丸大吉さんがコントの中で

『いも焼酎と親の言うことは後からきく』(だったかな?うろ覚え)

とおっしゃっているのと同じで、同じ事柄でも自分自身のその時の状態で見え方や届き方が変わるのですよね。

 

 

なので、私自身は出来るだけ治療の際はシンプルな言葉でシンプルなことだけをお伝えしていくように心がけています。

お話もそうですし、お体への刺激もそうです。

 

あまり情報量が多すぎても脳が混乱して、一番届けたい刺激や情報届かなくなるので、最小限に絞ってできるだけ余白を残して届ける、というのが今の私にはベストかなと思えるスタイルです。

 

なので、物足りなさを感じる方もいるかもしれないのですが、多く与えすぎてしまうと私の場合はあまり効果が出ないのでそのようにしています。

 

 

 

 

また、昔読んだ本でもその時々で響き方が違うし、読むたびに常に新しい発見があるので、私は新しい本をザカザカ読んでいくよりは時間置いて何度も読む方が好きです。

鍼灸の医学書や勉強会もそうで、あまりあれこれ読んだり参加したりはしていなくて、ご縁があったものに繰り返し参加して深めています。

 

 

 

ちょうどこの週末は、鍼灸学生が必ず一度は興味をもつ、お灸をメインに治療法を確立した深谷伊三郎先生の『深谷灸法』の本が読みたくなったので久しぶりに読み返しています。

 

やはりいつ読んでも新鮮で、その時々での学びがありますね。

 

 

 

そういうものと出会えていることは本当に幸運だと思います。

専門職に就かれている方々とよくそのお話になりますが、突き詰めていく方向性がハッキリとしているので、どのような物事も学びとなり本当有意義です。

 

 

逆に、自分自身が人生で何を追求したいのか何をしたいのか分からないというお話もたくさん聞きますが、それはそれで広く様々なことに触れていけば必ず無意識のうちに蓄積をされていくわけですから、見つかっていなくても意味がある事柄ですよね。

 

 

 

 

専門分野をやることばかりが学びではなく、日常の中こそが学びであり、そこを一生懸命にやらないといくら知識や技術があってもそこそこくらいにしかならないわけで。

 

うちの師匠も

『稽古場を出て道着を脱いでからが本当のお稽古やで』

といつもおっしゃいます。

 

いくらお稽古を頑張ったところで、道着を脱いだあとは人に尊大な態度をとってみたり、自分は偉いのだと勘違いや慢心をしてみたり、部屋を散らかしてだらしなく過ごしたり、そんなのじゃ何の技も習得していないということですね。

 

なので、日常日常をきちんと過ごして、言葉選びやご挨拶や態度などは特に気をつけていますが、それでも自分なんかは全く未熟でできていないことが多いのです。

 

死ぬまでには、人様に不快な気持ちにさせない立ち振る舞いができたらいいなとは思っているのですがなかなかこれが難しい^_^;

 

でも、それが結局治療にも生きてくると思いますし、1人でも多くの方に『鍼灸っていいな』『楽になったな』と思っていただけるようになりたいので、日々お稽古です。

 

 

 

 

 

ということで、本日と明日はお休みをいただいて、仲良くさせていただいている鍼灸師の先生と学びの場にいってまいります。

 

 

 

井手先生は元気に出勤中ですよ♪

 

 

 

 

 

 

写真はつゆくさ、黄色い部分もお花みたいになっていることに最近気がつきました笑

 

 

 

 

 

 

では!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東門 沙希依